世界遺産タイル|シルクロード・ウズベキスタン陶芸ギャラリー

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ティムール朝の多釉彩タイル
古代ギリシャ人たちはサマルカンドを「マラカンダ」と呼びました。中国では「康国」と漢字で書きます。サマルカンドの語意は「人びとが出会う場所」ということで、古代トランスオクシアナの頃より、東西の文明が交差する中央アジア最大の都でした。サマルカンドが絶頂期を迎えるのは、14〜15世紀のティムール帝国の首都だったときで、このときに学術や芸術において世界の最先端をゆく大文明圏を作り上げることになります。一時、モンゴル軍の侵攻で荒廃していた町並みも煌びやかに復興させ、「ティムール帝国様式」の完成させました。
ティムール帝国様式の建築の特徴は多彩釉タイルにあります
死者の街、シャーヒ・ズィダ廟

ティムール一族が眠る墓廟群
11世紀〜19世紀にかけての王族の墓廟群だったシャーヒー・ズィダ廟には、14世紀〜15世紀の装飾タイルのほとんどの技法が見られる「タイルの博物館」ともいうべき空間が広がっています。特に13世紀初頭に生まれたファイアンス・モザイクは、精緻さと可憐さにおいて最高水準に達しました。
天井ドームも一面がモザイクタイル
施釉煉瓦とモザイクの混合
中央アジア発祥のマジョリカ・タイル
マジョリカ(ハフトランギー)は、モチーフの輪郭に溝を作り、マンガン釉と油脂を混ぜたものを盛り上げて焼くタイルのことです。この技法は、モザイクタイルと平行して14世紀後期の中央アジアで発達しました。シャーヒー・ズィダ廟のマジョリカは最古のものです。
《シャー・ヒ・ズィダ廟(サマルカンド) 14世紀》
マジョリカ(ハフトランギー)
浮き彫り施釉テラコッタ
ファイアンス・モザイク
イスラム建築の異端、シールダール・マドラサ

タイルの小片や多角形を組み合わせて作るモザイク
イスラム教では偶像崇拝が禁じられていましたので、世界的なイスラム建築を見ても壁面装飾に生き物が描かれるのはごくマレなことです。レギスタン広場に3つあるマドラサのうちシールダール・マドラサのファサードには、人面を持つライオンのモザイク・タイルが見られます。ライオンはサマルカンドのシンボルでした。

イスラム教であっても信仰の大らかさがあった
ホラズムのタイル職人が築いたアク・サライ
サマルカンドから南に90キロのシャフリサブズはティムール生誕の地で、当時の建築技術の粋を集めて庭園・公園・宮殿などが建てられたティムール朝第二の都市です。白い宮殿という意味を持つアク・サライは完成に20年もかかった大宮殿で、今はエントランスのファサードのみが現存していますが、高さは48mもありました。
床一面にモザイクの施釉タイルが敷かれていました

アク・サライはティムール帝国様式の装飾タイルを知る上でも重要な遺構で、造営にはティムールが連行したタブリーズ(イラン北西部)のタイル職人ムハマンド=ビン=ユースフ=アッタブリーズィが関わったことが記録されていています。さらに、ティムールは1380年にクフナ・ウルゲンチを征服しましたが、その地域に住んでいたホラズム(アラビア語でフワーリズム)のタイル職人たちの協力があって造営することができたのです。壁面装飾にはタイル職人の出自が影響してか、技巧を凝らしたペルシア様式のモザイクが見られます。

東側壁面のモールディングにはタイル職人の名が見える アク・サライのマジョリカもシャーヒ・ズィダ廟と並ぶ最古級
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